こんにちは。遠野学習塾の程熊です。
最近、上郷町を一軒一軒回りながら、地域の皆さんにご挨拶をしています。
普段は穀町で学習塾をしていますので、
「普段は子どもたちに勉強を教えたり、不登校の子どもたちの学習をお手伝いしたりしています」
と自己紹介しながら、パンフレットをお渡ししています。
最初は正直、かなり緊張しました。
自分だったら、昼間に突然知らない人がインターホンを鳴らしてやってきたら、
「なんだろう……」
と思ってしまいます(笑)。
それでも実際に回ってみると、遠野の皆さんは本当に優しく、思っていた以上にいろいろなお話を聞かせてくださいます。
「この辺りも子どもが少なくなったよ」
塾をやっていることをお話しすると、やはり子どもの話になることがあります。
「この辺りも子どもが少なくなったよ」
「小さい子どもがいる家は、もうあそこくらいかな」
そんな話を何度か聞きました。
普段、学習塾で子どもたちと接していると「少子化」という言葉を数字として見ることはあります。
でも、実際に集落を一軒一軒歩いて、そこに暮らしている方から、
「昔はもっと子どもがいたんだけどね」
と聞くと、数字とはまた違ったものを感じます。
―――熊が来たら、鹿が来なくなったはなし
最近特によく聞くのが、熊や鹿の話です。
ある方からは、
「熊が庭まで来て、糞をしていった」
というお話を聞きました。
もちろん、庭先まで熊が来るのは怖いことです。
ところが、その後に面白い話が続きました。
「でも、それから鹿が来なくなったんだよね」
とのこと。
熊が来たことと本当に関係があるのかは分かりません。
ただ、理系出身の自分としては、
「もし本当に関係があるなら、熊の匂いに鹿が反応しているのかな?」
「農作物の獣害対策に何か応用できたりしないのかな?」
などと、ついつい考えてしまいました。
もちろん思いつきの段階ですので、本当にそんな効果があるのかは調べてみないと分かりません(笑)。
―――30年前、40年前の遠野の話
戸別訪問をしていて楽しいのが、昔の遠野のお話を聞けることです。
先日は、地域の方と外の椅子に座って、40~50分ほど昔のお話を聞かせていただきました。
昔の学校生活の話。
高校の近くにあったお店の話。
そして、今では考えられないような学校での出来事の話。
また別の方からは、さらに昔の地域の暮らしや、当時の若者の仕事についてのお話も聞かせていただきました。
※これらは地域の方から伺った昔の思い出・体験談であり、私自身が資料等で事実確認したものではありません。
自分はもともと『遠野物語』が好きで、遠野へ移住してきました。
ですから、こうして地域を歩いて、その土地に長く暮らしてきた方から昔の話を直接聞かせてもらえること自体が、とても面白いです。
「遠野の移動をどうするか」という話も
昔話だけではありません。
地域のこれからについても、いろいろな話を聞きます。
例えば、高齢者の移動について。
車を運転できる高齢者もいれば、運転できずに困っている高齢者もいます。
「運転できる地域の人が、半分ボランティア、半分ちょっとしたお小遣い稼ぎくらいで乗せてあげる仕組みがあってもいいんじゃないか」
というアイデアを聞きました。
また、
「スクールバスや高齢者向けの交通など、いろいろな目的で走っているものを、もっと上手に一緒にできないのか」
という話もありました。
もちろん、実際には制度や安全面、法律、行政の担当部署など、調べなければならないことがたくさんあります。
ただ、実際に地域で暮らしている方からこういうアイデアを直接聞けるのは、とても勉強になります。
―――昔の塾生のご家族との偶然の再会も
戸別訪問中、偶然、以前遠野学習塾に通ってくれていた生徒さんのご家族にもお会いしました。
学校へなかなか通えない時期などを経験しながら、塾で勉強を続け、その後国立大学へ進学した生徒さんです。
ご家族から、
「以前はお世話になりました」
と声をかけていただきました。
これまで直接お会いする機会がなかったので、何年も経ってから、まさか戸別訪問中にお会いするとは思いませんでした。
塾を長く続けていると、こういうこともあるんですね。
パンフレットを配りに行って、自分の方が教えてもらっている
戸別訪問は、正直疲れます(笑)。
インターホンを押すのは今でも少し緊張しますし、
「お腹すいたな」
「トイレ行きたいな」
と思いながら回っていることもあります。
それでも、終わってからその日に聞いた話を一つずつ記録している時間が、最近とても楽しいです。
もともとは自分のことを知っていただくために始めた戸別訪問でした。
でも実際に始めてみると、
「自分のことを知ってもらう」
以上に、
「自分が遠野のことを教えてもらっている」
ような気がしています。
昔の学校の話、子どもの話、熊や鹿の話、交通の話、地域のこれからの話。
一軒一軒のお話は小さなものかもしれません。
でも、こういう話を少しずつ記録していくことも、今の遠野を知る一つの方法なのかなと思っています。
まだ始めたばかりですが、これからも無理のない範囲で地域を歩きながら、いろいろなお話を聞かせていただけたら嬉しいです。
もし突然お伺いすることがありましたら、その際はどうぞよろしくお願いいたします!
遠野学習塾
程熊 雄也
